ORANGE overALLS drive

オレンジのつなぎを着た自転車乗りのブログ

山梨ポタとイナーメ合宿

悪夢のもてぎが終わると傷だらけの生田目さんを仲間に入れて山梨へ。
内臓の弱ったユキと、傷だらけの生田目さん、RXにボロボロにされた僕、のパーティーに元気はなかった。
ササの湯という温泉施設でご飯と風呂に入ってから山梨の僕の実家へ。
途中でユキに運転を変わってもらって、爆睡。目を覚ましたら中井PAでワロタ。
まさかの東名からのアプローチで実家に着いたのは0時過ぎてから。
爆睡したけど9時に起きて河口湖駅に着くケイトとアキさんを迎えに車を走らせる。
回収してからローザンヌ(実家のペンション)に戻ってきて朝食。
それから天気もいいのでポタリングにGO。

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まずは天下茶屋に登り(ケイトに千切られる)、

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その後僕の同級生がやっている「竹川うどん」で吉田のうどんを食べる。
親父さんは帰り際女子にだけキットカットをあげるという強かさを見せる。

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富士ヒルにでるユキにスタート地点と計測開始地点を教えて、すぐそばでやっているツツジ祭りへ行ってみる。
意図せず北野祭りになってしまったので、すぐに退散。

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そこから茶をシバきたいと皆が言うので河口湖畔へ降りて「オルソンさんのイチゴ」で一休み。
何十万回と通った道だったけど一度も行ったことはなく、こういう機会でないといけないので、高いケーキセットを注文。

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美味しかったけど、ポタリングの途中で食べるケーキってマズイわけが無い。
その後家に帰って洗車。ユキに洗ってもらう。ありがたや。
その後車で「野天の湯天水」へ。ここも地元すぎていったことはなかったけど悪くはなかった。
ただロッカーの100円が返ってこないのと、観光客がどっと押し寄せるのでシャワー列ができてしまう。これで800円は高い。
夕飯食って就寝。
次の日は朝早くに出発するも9時木曽福島駅に間に合わず。
イナーメ合宿一日目は晴天のもと大盛況。

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イナーメが誇る二大クライマーの森本さんと兼松さんをはじめ、JPTのメンバーと
飯田を本拠地にしているインタープロのオーマイ中田と吉田。
強豪クライマーでもある俊介さんも来ていたのでこれは濃い練習になると気合いが入る。
集団を4つくらいに分けるけど結局信号で一つに。すごい人数である。
開田高原に向かう大通りから脇にそれて地蔵峠へ。
登りが始まると察知したのかインプロの二人がペースを上げて登りに突入。
そのままトマホーク発射で、あっという間に森兼俊僕の四人に絞られる。
先に峠に入っていた面子を抜きながら兼俊の二人が横に並んでペースを作る。
中盤で森本さんが離れて三人に。あまりのハイペースに僕も千切れたいが我慢する。
兼松さんはコースを知らないので疑心暗鬼。僕がダンシングすると「ゴールか!?」とピリッとする。
ここら辺はクライマーの血が騒ぐのだろう。
結局僕もコースを覚えていないので、後どれくらいかわからず、メンタル折れて千切れる。
先頭はゴールのわからない二人が並んで獲ったみたい。
先に走っていた大東組と合流して割といい感じの集団になっていたので、そのまま九蔵峠へ。
ココからのアップダウンのローテが異常に速くて、ただの千切りあい。
御岳が綺麗に見えるいつもの撮影ポイントで命の危険を感じたので「写真撮ろう!ね!写真写真!」と周りに言い聞かせて止まる。

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そこからは一度開田クリテの会場に行き(知らなくて一度道を間違えたけど)コースを二周。
丁度別れた大東組は開田コースを一周してから九蔵周回に入ったので、ここで分岐。
僕らの後ろ集団は九蔵峠を先ほどとは打って変わって平和なローテでこなし、もう一周するか悩んだ末にやめておいて牧尾ダムへ下る。
牧尾ダムのお土産屋で休憩。後ろから合流した大東組は案の定ドンパチしてたようで既に疲れ切っていた。
チームカーからバナナをもらい、ここで御岳(八海山)組と牧尾ダム周回組に別れる。

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昨年は頂上までいけたのだが、今年は八海山までとのこと。
八海山がどこかはいまいちピンとこなかったけど、森本さん達がそちらに行くということで同行。(大東組は怖い)
牧尾ダム周回を半周し、御岳へ。序盤はアップダウンが続くので一発かましてやろうと、一人でペースを上げてアタック。
風が若干吹いていたが後ろを振り返ることなく踏んでいく。緩やかな勾配は得意とするところ。
暫くして後ろを振り返ると誰もついてきていない。恐らく牽制しあっているのと、すぐ落ちてくると思っているのだろう。
せっかくなのでいけるところまで行ってみて、追いつかれたらすぐにやめよう。
と思って踏んでいく。インナーでクルクル回して300wを維持するが、後ろを振り返ると森兼俊の3TOPが見える。
少しでも平坦が来たらアウターにかけていたのだが、そのまま登りに入ってもアウターの方が進む。
後ろからきた監督カーに「差が開いたぞ」と言われ、シッティングのアウターでトルクかけて登るのがAR FRDにはあっているのだと感じた。
ゴールがわからないがブラケットを持ってグイグイ踏んでいく感覚がピタッと嵌って楽しくなってくる。
後ろを振り返ると兼松さんが落ちたようで、森俊の二人。そこから森本さんがジワジワ迫ってくる。
残り何キロかわからないが、一昨年の合宿で折り返した工事してた地点の手前で森本さんに捕まる。

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森本さんのペースで走っていると俊介さんが後ろから近付いていて合流。
そのタイミングで森本さんが腰を上げペースアップ。それに二人とも対応するが、次の自分のカウンターで俊介さんが千切れる。
そこからは森本さんと二人になるが、自分も疲労が祟って千切れる。
しかしゴールが近いのを監督カーから感じ取っていたので、射程圏内に収める。
監督カーが僕らを抜いていったので「ゴールだ!」と思い、コーナーめがけてスプリント。
森本さんに並ぶが、結構先に監督カーが停まっている。おーまい
がくんと落ちて森本さんに置いていかれる。撃沈。

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ダメ元でのアタックだったが思った以上に力を残せた。AR FRDはエアロ形状からかスプリントバイクだと思っていたが、どちらかというと独走に向いているのだろう。
次の才児ではアタックを繰り返して反応を見てみようと画策。
遅れてきたインプロ吉田が「ケーキを焼いてきた」と言ってみんなに配りだした。
今回の林檎の入ったケーキは前回の焼きすぎケーキと違って普通に旨かった。弱冠べちょってたけど。あと一個がでかいわ。
防寒して下ったけどむしろ暑いくらいの気温。牧尾ダムに下ってきて、ダム湖半周で最後まで追い込んで、再びお土産屋で休憩。
最後は才児峠。距離は短いけれど最後に向けて勾配が上がっていく。
峠に入り、橋の平坦部分を使ってアタック。差をつけるがTOP3に追い付かれる。
追いつかれて一度下がるが、またペースが落ちた時にアタック。今回はバイクを左右に振って上半身で進ませようとやってみたけど、いまいち反応が良くない。
それでも差がついたがこれも追いつかれ、俊介さんのカウンターに撃沈。

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ペースで追って3位で才児をクリア。よく考えるとここまでかなり追い込んでいるが、最後にアタックできる足を残せていたというのは、自転車の柔らかさもあるのだろう。
AR FRDの特性を生かすには逃げ屋になるしかないか・・・?悩む。
才児から下ってきて最後は木曽福島駅前の木曽ふくしみゅーるでスプリント。圧倒的武力差で勝利。横剛性が全くなくなったわけじゃないのである。
夜はプチヴィラマウント御岳で0時過ぎまで呑んで語らう。森本さんが寝始めたので就寝。
次の日は生憎の雨予報なので、最初から牧尾周回練。ユキの仕切りで4周スタート。
最初は普通のペースだったが、徐々に牙を剥き始める大東チルドレン達。
二周三周はペース走だったのだが、オッペイ曰く「レースの逃げよりもキツイ」ペースになる。
2周完了時のダム湖に上がる登りでMKWがペースをあげると精鋭しか残らず。
丁度雨が降ってきたので、この周回で終わることをみんなに伝える。このままのペースで二周とかやりたくな(ry
半周して安全に下った後、ゴールに向けて徐々にペースが上がる。
緩い丘に入る前に自分に回ってきたので400w維持で踏む。そこからオッペイが発射。唯一ついていったのは高校生の樹だけ。
しかし頂上にたどり着くことなく失速したオッペイに対し、樹が単独で先行。兼松さんの後ろで足を休めた僕が頂上付近で樹に追い付く。
後ろに憑けとサインを出したら、本当についてきた。頼もしいですな。
しかし後ろが合流してきたので集団は一つに。
湖岸に降りてきてローテのペースも上がる。ユキが一度アタックしたけどキレがなく、集団を切り離せない。
落ち着いてローテしてユキを捕まえて、ゴール前(ダム上)500m位の先頭に出たときにシッティングでペースアップ。
チラ見して後ろの森本さんが離れているのを見て、今度は本気で踏む。全員を千切って練習終了。

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皆と別れて、昨日おふろセットを忘れた「やまゆり荘」に温泉に入りに行く。
その後「cafe kazu」で昼食を取って山梨の実家へ戻る。
大月→小仏19kmの渋滞を鼻で笑いながら甲府南で降りて実家に戻れる、渋滞の無い幸せ。
夕ご飯を食べて早めに就寝。加須TTに続く。

アワイチとゴリラクリニックとゆるポタ

GW二日目はアワイチ。チビ助がちっとも起きないので春巻きにしてやる。

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西明石のホテルを出発し、明石港へ自走で向かう。
明石は標準時子午線が通る町。社会の授業で習っていたけど来るまで思い出せず。

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真ん中に立って「右半身は○○県!左半身は…」とやりたかったけど良く考えたら県境とかじゃない。
淡路島自体は大学四年の時に合宿で行って以来。前回は車だったが今回は船!

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明石港を出るとすぐに明石海峡大橋が見えて、その下をくぐる。ものの15分ほどでついてしまう。短い!

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岩屋港で再び自転車に跨り、一周スタート。
天気も良く、風も穏やか。今回の目標は「上ハンから手を離さない」こと。
下ハンとかブラケットを持つと無意識に踏んでしまう厄介な癖があるため、そんなことしたらチビ助を千切ってしまう。

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スピードとかワットを見るとうんざりするのでGARMINはMAPにしておく。
時計回りに一周。30km地点でトイレ休憩。海水浴場のそばだったので自転車を置いて写真撮影。
前後輪を砂に若干埋めて、クランクをツールボックスに引っ掛けて自立させる。
携帯を立てるのに苦労したがタイマー機能でうまく撮れた。靴の中に砂が入ってしまい後悔。

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というのも今回も靴が壊れたままだったので、タイラップで留めていたから靴が脱げない。
一日中淡路島の土を連れて走る羽目になってしまった。
水仙郷を越える。大学の合宿を思い出して、変態な同期と生意気な後輩に思いを馳せる。
謎パラは「行ってみる?」と聞いてはみたが、看板だけでお腹一杯だそうでパス。

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海岸線に降りてきてダートでまっすぐな道に。モンキーセンターを横目に早足で道の駅うずしおを目指す。
90km地点にある淡路島と四国を結ぶ橋の麓にある道の駅うずしお。ここではご当地ハンバーガーランキングの1位と2位が食べられる。
チビ助は疲労の色が見え始めたので飲み物をパシらせてからはベンチで休んでもらう。
僕は行列に並んで辛抱する。ハンバーガーにありつけたのは30分ほどたってから。
お腹がすいたのもあってか、ペロリと完食。確かに旨かった。

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その後は運が良ければうずしおが見えるらしいと聞いて橋の下へ。
人がいっぱいいたけど、誰もどれが渦潮かわからないし、多分なかったのだと思うけど、そこは「渦潮マイスター」的な人が常駐しててほしかった。
ボトルに水を入れて残り60kmスタート。
上ハン固定で淡々と牽くと自分にも疲労の色が見え始める。
それを察したのか先頭交代してくれるけど小さすぎて風よけにならない。

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残り距離の看板が見えて徐々に上げだす。
チビ助が静かに千切れていくので二回ほどペースの上下があったが、ゴールのファミマにたどり着いてお終い。
岩屋港に行くすがら後ろを振り返るとヘロヘロになっているチビ助。
長い距離なら僕の練習にもなるし、男子のペースで走ればツキ位置とはいえチビ助の練習にもなるみたい。
船がちょうど来たので乗り込んで座って隣を見たら、見たことないくらいブチャイクな顔になっていたので思わず一枚。

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外を見る余裕はなく、あっという間に明石港へ。そのまま西明石のホテルへ。
夜は明石焼きを食べたかったけど、どこも日曜日ということで開いていないとのこと。
チビ助がいつもお世話になっている、明石駅前のサクラマチサイクルさんで楽しくおしゃべりして、
その後おすすめのサムギョプサルを食べてGW二日目終了。

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GW3日目は移動と脱毛。
朝一でチビ助と共に電車に乗り込む。明石駅で別れて、チビ助は仕事へ。僕は神戸空港へ。
チビ助と入れ替わりで入ってきた大学生は大阪工業大学の自転車部の子だそうで、
乗り換えまでおしゃべり。まだ入ったばかりで学連のレースに出ていないそうなので、またいつか。と伝えて別れる。
神戸空港から羽田に飛び、その足でゴリラクリニック上野店へ。
今回で二回目となる施術。この日まで毛を剃らないでほしいと言われていたので、前回の施術から一度も剃っていないのだが
明らかに毛の量が減っている。

一年で計四回の施術。回数を追うごとに痛くなくなっていくという。
BEFORE/AFTER写真を撮ってから二人がかりで剃毛。その後レーザーを当てていく。
毛穴と毛の繋がっている部分をレーザーで焼いていく。当然神経が通っているので痛む。
肉が多いところ(ふくらはぎとかふとももとか)は痛みを感じにくいが、骨に近いところ(脛とか)は痛みがじかに来る感じ。
右の内ももから施術が開始され余裕だった僕は「出力上げてもいいですか?」と言う言葉に安易に頷いてしまう。
脛に行った瞬間に「「アァーー!!(心の声)」」
しかし男の子である。我慢する。施術してくれる方が必ず「あと少しですよ~」と言ってくれるので
それを一つの目標というか縋りというか、とにかくメンタルは鍛わった。
施術は1時間半ほどで終了。次回は2ヶ月半後。
急いで片づけて電車で移動。フリーダムへダッシュで向かい、FEL美(FELT F FRD)を預ける。
群馬での落車によってフレームに傷が入ってしまっていたので大事を取ってAR FRDをライトウェイ様から送ってもらっていた。
コンポを移し替えるために預ける。
次の日は会社の方々とゆる(くならざるを得ない)ポタ(リング)。
スピードを出すわけではないのでMERIDAのCXバイクにロードタイヤをくっつけて走る。
九十九里の海岸線まで出て蓮沼海浜公園の展望台へ。

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そこから南下して、店構えがイカしてる「いさりび食堂」で昼食。

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そこから帰ってきて100kmを6時間で走破。次の日のもてぎで7時間で292km走るのだから、この差は面白い。
もてぎエンデューロに続く。

JCX#3 寒河江

朝成田空港にチビ助を迎えに。PEACHは第一ターミナルなのに僕が間違えて第三だと思い込んで
送迎スペースで待機していたのに来ないからイライラ。第一であると気づいて向かって、結局30分遅れ。
チビ助も迎えに来ないのでイライラしていたようで、下から目線で怒ってる。
しかし助手席を前に倒して足をのばして寝られる、快適空間を見せたらなんか許してくれたみたい。ちょろい。
遅れたのもあってか、会場に到着は16時。
試走が16時までだと思っていたので間に合わなかったと凹んでいたけど、UCIの試走が16時からみたい。
というわけで、前日の試走は薄暗い中で。

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photo by kurokuma
寮の駐車場に見事にポンプを忘れたので弱ペダに借りる。
聖に直々に入れてもらい、「1ポンピング2000円すね」と無茶な料金設定。まだ若い。
もしその設定なら人気グラビアアイドルに空気入れてもらわなければならないな、いや、まだ高いか。
二周して、飽きる。これUCIでいいの?と思うくらい簡単なコース。聖が入れてくれた3気圧でも走れるレベル。
何か所か泥を含んで進まない場所があるけど、勢いでどうにかなりそう。
石がゴロゴロ浮いている箇所があり、パンクに注意する(フラグ)。
試走を終えてムコさんが探してくれた山形駅前の宿へ。夜飯は駅前の蕎麦屋
駅前に何人かハロウィンの仮装をしている人がいて、
山形にもハロウィン文化があるんだ、と山形県民を敵に回すことを考えてしまった。反省。
次の日は朝のんびり会場へ。
諏訪監督のレースを応援してから受付を済ます。
日が照ってれば暖かい。再び試走をしてコースを確認。
スタートのアスファルトのストレートが長く、レースが高速化するため抜きどころが少ないという印象。
最初から前のパックに入らないと、中切れにあったら挽回できない差になってしまうかもしれない。
幸いにもスタートは二列目なので、まず一つ目の目標はホールショットを獲ること。
後輪をVITTORIAのダイヤ目に変えさせてもらったら直線が速くなった。
先週の白樺湖よりは寒くないので手袋とレッグウォーマーを外す。

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PHOTO BY KUROKUMA
ヘルメットは平坦基調と聞いていたのでrh+のエアロヘルメット。
そして今回から導入のNORTHWAVEのNEW SHOES!オレンジ好きの僕的には嬉しい。
前日にレースを入れていないため、入念にアップ。
およそ45分間で一回もがいて心拍を上げる。

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PHOTO BY KUROKUMA
スタート前に最初の直線の確認。かなり長い。
強面のUCIの審判の「30second!」の発音が良すぎて戸惑い、頭の中のカウントを忘れる。
笛の音でスタート。今回はペダルキャッチが割と早め。一発ではないけど。
ペダルがハマってから、列になりたくて左から被せてくる選手をやり過ごし(ここら辺はオンロードなので落ち着いて見られた)、
そのまま先頭で第一コーナーへ。人生初のホールショット、おめでとう僕。

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PHOTO BY KUROKUMA
グラウンド区間まで先頭。しかし左に出てくる砂利道の方が速いラインを知らなかった。普通に抜かれる。
4番手くらいでピットエリアまで。このまま先頭で頑張るぞ!と思っているとフラグを回収しに来た。
痛恨の前輪パンク。それに気づいたのはピットを過ぎてから。恐らく石がゴロゴロしていたところに打ち付けてスローパンクか。
それにしても運が悪すぎる。
嘆いていても仕方がない、前輪ぺしゃんこのまま半周走るしかない。
コーナーの少ないレイアウトだったのが功を奏し、走行不能になることはない。
次のピットで自転車を交換。20何位かに後退する。

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PHOTO BY SEIICHIRO KOBAYASHI
ココからは前を抜くことだけに集中。いくつかのパックになっていて、先頭はかなり前。
自分が今日走る面子の中で一番体力があると信じて、パックを無視してバンバン抜いていく。
しかしチームメイトのタクミのいるパックはしぶとくて、千切れない。

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PHOTO BY SEIICHIRO KOBAYASHI
一度自分が抜け出そうとする動きにタクミが被せてきて(偶然にも)、「どけ!」と言ってしまった。ごめんよ、タクミ。
そのパックの先頭に出れば9位。
何回かのペースアップの末に千切ることに成功。そこからは前に見えるパックを追ったけど、追いつけず。
思った以上に先頭も近くに見えていて、本当にパンクが悔やまれる。
空気圧は2.0でいったけどもう少し入れても良かったかもしれない。
ロードの癖が抜けなくて、サドルにドカッと座ってしまうのも問題。
順位は先週と同じだけど内容としては自信が蘇るものだった。
というか、前日にレースが無いというのも大きいのだろう。

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PHOTO BY KUROKUMA
UCIレースなので9位でも賞金がもらえる。
受け取りに行くと、7位の丸山さんに間違えて9位の賞金を渡したことが発覚。
丸山さんを捜しに行くと帰っちゃったとのこと。
小坂(父)さんの「少なく渡したならいいじゃん。もらっちゃえよ」というフランクさに、「レジェンドが言うならいいんじゃないか…?」と錯覚する。
連絡を取ってもらったら引き返すとのことだったので、暇だったから遊ぶ。

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PHOTO BY KUROKUMA
この二枚を並べると「ひょい」と持ち上げたみたいに見えるけど、実際には時間がかかったし、膝が汚れた。
無事に賞金を受け取り、帰路へ。那須高原で諏訪さんたちと合流して夕飯食って、渋滞もそこそこで東京に帰還。
今週末はJBCFの幕張クリテからのスターライト幕張(エンデューロ、C1)です。東海は行きませぬ。

骨伝導スピーカ「CODEO」を使ってみました

「北海道はでっかいどう」とは誰が言っただろうか。クラーク博士か?(違う)
北海道出張中の僕は休みの日に自転車を持ち込んで走っていた。
まっすぐ続く、ど平坦。行けども行けども道の端は見えず、左右の景色は変わらない。

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自転車に乗っていると変化の無い道で飽きてしまうことがある。新東名で眠くなるのと同じだ。まぁ静岡県が長すぎるというのも問題だが(当方は山梨県民です。他意はありません。)
退屈を紛らわすツールとして音楽がある。しかし法律により自転車走行中の音楽の再生は禁じられている。
しかし今回の北海道に持っていった、この「CODEO」は一味違う。耳を塞いでいないので法律の問題をクリアしているのだ。

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泣く子も黙る骨伝導。僕は骨伝導スピーカを初めて使うことになる。
骨伝導と言うと骨であればどこからでも聞けると思っていた僕は踝につけてみたのだけど、まったく聞こえなかった。
形はスポーツイヤホンによく見られる、後頭部に這わせたもの。耳に引っ掛ける形で耳穴の前にスピーカがくるようになっている。
後ろに装着するゴムを調節することで、顔のでか…脳みその大きい知識人にも対応。
これはがっちりホールドしてくれるわけではないので、マラソンなどの上下動の大きいスポーツには向いていないと思う。
自転車はその点、上下動が少ないので問題なく使える。
ヘルメットをつけてからその上にCODEOを装着。最後にサングラスをつけるといった具合。

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さて、練習に使用するとして問題になるのは防水性である。
雨の中では使用しないので、どの程度の雨で壊れるかなどは確認できなかった。というか雨の日に練習に行きません。
練習中に一度小雨になったけど問題なく使えた。当然汗でも大丈夫。
ゴム面を肌にくっつけるタイプなのでその部分だけ蒸れるけど面積が小さいので気にならない。
ただこのゴム面、すべり止めのためにもあると思うのだけど、無造作に鞄とかに入れると先端が壊れてしまいそう…

とか言ってたら試作品ケースもらいました。ありがとうございます!パッと見電子辞書だね…

ただ、このケース発売時期は未定だそうな…乞うご期待。

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練習中はi-Podにbluetoothで繋いでいるのだけど、bluetooth接続器では音質がそんなに良くないことが挙げられる。
Codeoもまた然りで、音質がイイとは言えないし、まぁそこまで音楽にも詳しくないのが悲しいところ。
練習中は風の音もあるのでメロディーが何なのかわかればいいのである。
この風に逆らって音量を上げすぎると頭が痛くなってくるので注意。
音量調節や次の曲ボタンもついており、本体(iPod)を直接触らなくても簡単に遠隔操作できるところもいい。
景気よく踏むときにバラードじゃ力抜けるから、この操作性は必要不可欠。
加えてその操作が耳のあたりを触る仕草なのでSPみたいでかっこいい。
一回の練習で電池が切れることはなく、少なくとも一日中使っても電池はきれなかった。
電池が切れる前に「Battery low」といきなりしゃべりだすもんだから、最初は「ばかやろう」と聞こえて「えっ」ってなった。
充電は最近の電化製品はみんなそうなのか?わからないけど、携帯電話(samsung galaxy s5 active)と同じ充電コードが使えるのは嬉しい。

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偶然だけど僕が使っている製品はこの充電コードのものが多い。携帯、GARMINSHIMANOのカメラ、CODEO、Wi-MAX…
充電コード忘れても代用できるのがイイ。
練習以外でも使用している。例えばPCとペアリングしてJ-SPORTSでレースを”聞き”ながら自転車をいじる、とか。
深夜の放送になりがちな自転車レース。壁の薄い寮に暮らしている僕はPCのスピーカーで音を流せない。
だからと言って有線のイヤフォンだとPCの前から離れられない。なのでCODEOはちょうどいいのである。
加えて耳の中に入れないので何か食べていても咀嚼音(?顎が動く音?)が気にならない。
ピザポテトとドクぺを傍らに、J-SPORTSを聞きながらジャンプを読む。幸せはここにある(ない)。
ただ、電車やエレベータ等では音漏れが気になるので使わないようにしている。
携帯に接続してハンズフリーで電話をしてもマイクの集音性が高く、こっちの声はよく届くようだ。
LINE通話だと音が小さかったり大きかったりする。これはLINE側の問題だろうか?
あと、携帯やiPodからPC(surface pro3)にペアリングを切り変えるとき、CODEOをつけっぱなしでPCを再起動しないとペアリングできない。これ恐らくPCの問題。
総じてお勧めする商品です。
購入サイトはこちらでつ↓

shopping.geocities.jp

レース前のアップの時も音楽聞きながら会話もできるからいいね。ピリピリ感が出ない。もともとヘラヘラ感しか持ち合わせてないけど。

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BIKE SAND を使ってみました

全日本選手権が大島で開催されるということで、FEL美とFEL奈を持っていく必要がある。
自分と一緒に二台とも船に載せるでも構わないが、大島での移動がめんどくさそう。
というわけでFEL美(ROAD)を大島に送ることに。宿に連絡を取ってみると他にも宿に送る人がいたみたいなので、快く荷物預かりを引き受けてくれた。
いつもならフリーダムに行って大きい段ボールを確保してもらうのだけど、富士ヒルの時に出店していたBIKE SANDを使ってみようと思い立つ。
HOM(HELL OF MARIANAS)でご一緒するイシムさんに紹介してもらって代表の早川さんに連絡すると「良いですよ!」とのことですぐに送っていただきました。

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さて、組み立て。
自分の部屋では確実にスペースはないのでフリーダムにて開封。いやホントありがとうございます。

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BIKE SANDを組み立てるにあたって他に必要なのは養生テープぐらいか。
とりあえず全部出してみて、お店を広げる。腕を組んで考えて「おし、わからん!」となったので説明書を読む。
まずは自転車の解体から。と言っても外す(緩める)のは
①ペダル
②シートポスト
③リアディレイラー(RD)
の三つ。ペダルはいいとして、シートポストは高さの印をつけてから外すのを忘れてしまった。
まぁそこまでポジションは気にしないから良しとしよう。(よいこはまねしないでね)
RDは付属しているプチプチに包んでフレームに固定。

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付属はしていないがエンドが不安だったのでBBBのチェーングリップをつけて、そこにチェーンをひっかけてフレームに当たらないようにした。
あとはハンドルがついているネジを緩めて、ハンドルを切ってからドロップを下に回してトップチューブにかませる。文章だけだと何言ってるかわからん。
つまりこんな感じ。

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付属している緩衝材をフォークに二つとトップチューブに一つ、ダウンチューブに一つ装着。これで自転車側はお終い。
いよいよ箱に詰めていく。スポンジのついていない方を選んで真ん中付近に自転車を置く。
ここから登場するのが「なんかすげぇ頑丈そうなゴム」だ。童心に帰って必ず一度は「くらえ!」と言いながら飛ばすだろう。
無くすの注意と、人に向けるのはダメです。
説明書の通りにやるとゴムが強すぎて自転車を押さえつけてもらわないとできない。

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恐らく回数を重ねていくにつれて、できるようになるのだろう。いずれは一人でできるもん、だ。
段ボールの端面に切り込みがあって、これにゴムをひっかける。完成形がこちら。

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この時点で自転車はかなり固定されている。
反対側の段ボールにはスポンジが二つついており、そのスポンジにハブが来るようにホイールを載せる。
こんな感じに一部重なる形に。もちろんクイックは外す。

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これにゴムを取り付ける。ゴムの本数はかなりあったので(予備を含むのかな?)贅沢に使ってしまった。
そしてドッキングに入る。付属されている四本の柱(硬い)を段ボール板についている座にカポっとはめる。
この柱は手が入るほど穴が大きくはないので「ロックマン!」ができないのが非常に残念。
そして柱が反対側の板についている穴に合うようにして、ドッキング!(要掛け声)
ゴムで四隅を固定。付属の上板と底板を入れる。これで完成。

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と、気づいたら無残に床に転がるサドル。忘れていたけど大丈夫。
もう一枚プチプチがついているのでそれで包んで、余ったゴムで段ボールに固定。
最後にカバーをかけてお終い(赤は三倍速い。ちなみに黒と青があるそうです)。

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サイドにポケットがついているので、Di2のバッテリーとクイックを入れる。

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これで測ってみると総重量は14.56kg。20kgまでは余裕があるのでヘルメットとかシューズとか中国服とか入れられそう。
ちなみにこのままクロネコさんに持っていったら、若い兄ちゃんに「縦にしてもいっすか?」と聞かれた。
段ボールに固定しているので問題ないと判断して「うぃっす」と返事しといた。
カバーについている透明のポケットに送り先のやつを入れられるスマートさ。
愛車と一緒に写る自分の写真を入れておけば、大事に運んでくれるんじゃないかと思った。生産者の顔的なアレ。
TTバイクはSCICONで船積の予定。週末は大島にいます。

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その男、ポールにつき。

暦の上では春。出会いと別れの季節。

ここにも一人、別れを告げる人が。そーるずべりー・ぽーる(本名:百日紅 徹)。
言わずと知れたイナーメ信濃山形のマスコットキャラクターである。

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彼との出会いは2013年1月のイナーメ撮影会。当時まだ信州大の学生だった僕は最後の学生生活を謳歌していた。

武田の親分にイナーメに誘っていただき、社会人1年目からJPTで走ることになっていて、
イナーメだと同じ長野県のセーゴさんしか知らず(なんなら監督の顔さえ知らなかった)、不安を抱きながら修善寺に行った覚えがある。

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でけぇ外人さんおるわとその時は思ったものだ。正直に言うとその時の亀石リピート練で小室さんに千切られた思い出しかない。
千葉県という知り合いが誰もいないところに就職し、社会人一年目は生活に慣れるのがいっぱいいっぱいで、出るレースすべてDNFの三文字。
そんなだからみんなに打ち解けられず、レース会場にも一人で行くことが多かった僕。
ポールさんを初めて車に乗せたのは、その年のいわきクリテリウム。まだジムニーに乗っていたので輪行で来たポールさんと皿さんを連れて、小室さんと一緒に夕食へ。まさかのガスト。
首を傾けないと座れないほどの座高。「可愛い車ですね」と言われて「ポールさんがでかいんですよ」と言ったのを覚えている。皿さんは荷台でちいちゃくなっていたなぁ。懐かしい。
そこから彼を日本のブルーマウンテンこと青山で拾うことが当たり前になっていく。ちなみにポールさんの出身もブルーマウンテンということで、彼はこの壮大なダジャレを持ちネタにしていた。
僕は実家にあるBIGHORNと車を交換し、積載力をあげた。自転車にかける緩衝材として使っていた汚い毛布を「マジック毛布!」と言って褒めてくれたのは、後にも先にもポールさんだけである。
2013年末にあった伝説のBOSO GPで初めてのツーショット。

f:id:orangeoveralls:20160226182120j:plainPHOTO BY くぼた氏

親分の強い誘いでポールさんが2013年夏からトラック競技を始めた。
初めての団抜きは、かりがねバンク。ここからイナーメの団抜きがスタートする。

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元々持っているクロノマンの資質をいかんなく発揮し、2014年の1月には国際大会出場するほどに。
というのもオーストラリア国籍を持つポールさんが出ると、一か国増えてUCIポイントが上がるから。
もちろん始めて半年の人が通用するはずなかったけれど、それでも楽しそうに走る姿を見て、誇らしかった。

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その時にポールさんが僕のGHIBLIを使っていて、そこにいた観客の皆さんにドヤ顔で教えた覚えがある。
ウィンタートラック等を経て、イナーメ団抜きは四人目のメンバーを変えながらも徐々にタイムを縮めていく。
ポールさんの後ろは全く風が来ないし、ペースの上下が無いので走りやすい。ポールさん抜きには団抜きもTTTも考えられない。
いつだかタスマニアから帰ってきて、痛風になっていてもその状態で走っていた。
そこまでする必要が?と思ったけど、そこまでしてくれるから色々やってあげたくなる。
2015年の全日本トラックにて目標としていた実業団記録を塗り替える。

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監督を抱えるこの写真は、自分たちが望んでいた形。

2014年の加須のTTTでは高岡さんと三人で会心のレース。僕自身もそう思っていて、これ以降はTTTでピタッとはまった感覚はない。

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その年のTT JPで初めてポールさんに勝った。
どこかで一生勝てないと思っていた僕は(体格的な面とか)本当に驚いたのを覚えている。
ポールさんは本当に祝福してくれた。この人は隙あらば褒めてくる。
僕が全日本TT獲った時も、ポールさんはインドの奥地で電波を探し、祝福の言葉を全部ローマ字で送ってきた。

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そのインドでの話も面白くて、暗闇の中命がけの前を走る車両の後ろで命がけのダウンヒルをしたり(実際には転んでたけど)、
アイスを探し求めて、やっとありつけたアイスが人生で一番不味かったなどなど。本人から聞いたら三割増しで面白くなること間違いなし。
自分に非があると「スイマセン!」と謝り(回数は多かったけど)、恥ずかしげもなく「~~さんのおかげですよ!ありがとう!」と言える。
自分にできないことができる人に憧れるのは自然のこと。謝罪や感謝は言えるかもしれないけど、目を見て人を褒めるのは恥ずかしくてできない。いじるのは簡単だ。

レース会場に一緒に行くが、忘れちゃいけないのが観光である。
自転車レースはつらい競技だ。体に鞭を打ち、肉体の限界を超え、一位を目指す。もちろん落車もあり、怪我は絶えない。
普通の人にこの話をするとドン引きされる。
だからできるだけ観光して帰ろうというのが僕たちのルール。

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イナーメ温泉部と言い出したのは確か高さんだったか。温泉好きのポールさんはどこに遠征行っても温泉を知っていた。
いつだかポールさんが、僕たちが「温泉どこか知ってますか?」と聞いてくるのがプレッシャーだと言った。
良いところを案内したいというポールさんの優しさが滲み出る言葉だ。皆、部長と行けるならどこだってよかったと思ってるはず。

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コンビニで買う物も一つ一つ、まず、この成分は良い良くないを言ってからオーストラリア産のものを使ってるかどうかを確認し報告してくる。
使っていたら、その度に「いやぁ、いつもお世話になっております」というのが一連の流れ。

登山用のバックに黄色のドンキの袋に入った服などを入れて、レース会場ではまずお店を広げるところから始まる。
いつも出発しようとすると「チョト待ってください!」とバタバタ。やれやれ…と思って見ていた。

ポールさんとの最後のレース、寬仁親王杯の一日目が終わった夜。
リュウタロウはイナーメに残りますか?」と聞いてきたポールさん。
自分が帰ってきたときにチームにいるのかどうか聞きたかったのだろう。残っていてほしいという意味もあるのかもしれない。
僕は「わかりません」と伝えた。
それでも少なくともこの人の帰ろうとしている場所はココにあり、そこに僕がいることを望んでいることが素直に嬉しかった。
残さねば、という使命感。
小学六年生の時、先輩が抜けて4人でスタートした少年野球。その時の気持ちに似ている。

僕の成長を一番近くで見ていたのはポールさんだ。
僕自身、全日本を獲ってからこっち、フワフワした状態が続いていて、自分の先行きがわからず、楽しく走ろうとしても結果を求めるあまり、空回り。
気にしなくていいという言葉に頷くけれども、そう割り切れるほど馬鹿でもない。
周りの環境が変わっていくにつれ、自分がどう振舞っていたのか忘れ、戻ろうにも戻れない。
社会人になって言葉数が減ったことによって上手くしゃべれなくなり、過去の自分と比べてしまいイライラする。
海外に挑戦すべきだという考えもあれば、将来のために今の"固い"仕事を続けるべきだという考えもある。
東京オリンピックのこともチラつく。二足の草鞋で行けるほど簡単な道ではないこともわかっている。
どうせなら自分の未来を誰かに決めてほしい、誰かのせいにしたいとさえ思う。僕はつくづく弱い人間だと思う。
それでも時間は過ぎるし、つらい時こそ足掻くのが中村の血。
今年一年でどうなるかわからないけど、精一杯やるだけだ。応援してくれる人がたくさんいる。
もし僕がイナーメに残るのであれば、彼が戻ってくる場所を守りたい。

先週の話。ポールさんが日本を離れる日。
定時退社してポールさんを迎えに行く。湾岸線からレインボーブリッジを越え、いくつかのJCTを経て高樹町で降りる。
何度通った道だろう。人に聞かれたら「青山?よく行くよ」とドヤ顔してたけど、実際にはポールさんちに行く道しか知らない。
着いたらなんだか大家さんともめてるみたい。バタバタと出てきた。MTB一台とギター。登山用のバックは20kg越えてるのでは?重たい。
聞くと三日間寝ていないらしい。いつもギリギリでバタバタするのは最後まで変わらなかった。らしいと言えばらしいと苦笑する。
ケイトさんもつれて羽田空港へ。最近カンタス航空が羽田からのオーストラリア深夜便を増やしたようで。出発は22時。
これのおかげで日本のレースに参加できるみたい。
この飛行機の増便もポールさんの仕事で、「大変だったんですよ!」と話していた。
つまり彼は自分のために飛行機の便を増やした、と言っても過言ではないのだ。
ポールさんの登山友達の皆さんと食事。ポールさんは最後に鯖の塩焼きを頼んでいた。
4月の伊吹山HCで日本に来ることは知っていた。その後の白浜も来る予定だからすぐに会える。
それでも出発ゲートという目に見える別れの場所が近づくと、胸が熱くなる。
共に戦った仲間がそう簡単に会えなくなるのは、やはり寂しい。

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ユキとケイトさんと荷物検査の向こう側、ポールさんの姿が見えなくなるまで見送った。
胸にぽっかり穴が開いたみたいだ。
人は誰かに依存して生きていたいと願うものだ。
僕にはその"誰か"は、傍にいない。と考えたら何だか悲しくなって、帰りの車で一人で泣いた。
こうやって書くと自分の状況が見れて、少し落ち着くな。バスに揺られながら書いたから吐きそうだ。

とにかく、また春に会えるのを楽しみに。

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引っ越します

いつもこのような拙い文のブログをご覧いただきありがとうございます。
大人の事情でこのブログの場所を変更することになりました。
はてなブログでお気に入り登録されていた方には大変申し訳ないのですが、
下記の場所に移ります。

Orange Overalls Drive 中村龍太郎 | NoBike NoLife~ライトウェイプロダクツジャパン公式ブログ~


内容は変わらず、起きたことをツラツラと書くスタイルで今後ともやっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。